旅先のホテルへチェックインする際に、「宿泊税」がかかるといわれ不思議に思った人もいるかもしれません。特に初めて耳にする人にとっては、なに?と思うでしょう。本記事では、「宿泊税」が発生する自治体についてのまとめと、そもそもなぜ宿泊税を払わなければいけないのかをみていきたいと思います。
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「宿泊税」は、ホテルや旅館などの「宿泊料金」に「課税される税金」です。それぞれの自治体によって支払う税の金額が異なるのが特徴です。
ここでいう、「宿泊料金」は、食事代や消費税等を除き、サービス料等を含んだ金額になります。
■宿泊税が導入された背景
東京都主税局で記載されている宿泊税の概要は下記となります。
宿泊税は、都内のホテル又は旅館に宿泊する方に課税される法定外目的税で、平成14年10月1日から実施されています。宿泊税の税収は、国際都市東京の魅力を高めるとともに、観光の振興を図る施策に要する費用に充てられます。
出典:東京都主税局
京都市情報館で記載されている宿泊税の概要は下記となります。
国際文化観光都市としての魅力を高め、及び観光の振興を図る施策に要する費用に充てることを目的としています。
出典:京都市行財政局税務部税制課
つまり、「持続可能な観光の振興を図る施策」や、「歴史・文化の振興を図る施策」のため、観光客と市民生活の調和を図り市の活性化につなげることが目的といえます。
わかりやすい例では、街のWi-Fi整備や観光情報センターの運営費など。
特に観光都市や人が多く集まる地域ではより多くの観光財源を確保する必要があるため、税の導入はある意味納得せざるを得ません。
■宿泊税はいつから始まったのか?
宿泊税を初めて導入したのは東京都です。2002年に制度開始以降、徐々に全国へと拡がりつつあります。
東京都 | 2002年(平成14年)10月1日〜 |
---|---|
大阪府 | 2017年(平成29年)1月1日〜 |
京都府京都市 | 2018年(平成30年)10月1日〜 |
福岡県福岡市 | 2020年(令和2)年4月1日〜 |
福岡県北九州市 | 2020年(令和2)年4月1日〜 |
福岡県 (福岡市・北九州市以外) | 2020年(令和2)年4月1日〜 |
石川県金沢市 | 2019年(平成31年)4月1日〜 |
北海道虻田郡倶知安町 | 2019年(令和元年)11月1日〜 |
長崎県長崎市 | 2023年(令和5年)4月1日〜 |
■宿泊税の支払い・宿泊税の考え方
宿泊税を旅行者視点からみると、宿泊税を宿泊施設に支払い→宿泊施設が税務署に支払い納めるという形式になります。
簡単にいえば、消費税と同じ間接税となります。(地方税>市町村税>目的税>宿泊税)
そして支払い方法ですが、宿泊税の前払いはできません。
また、宿泊税はクレジットカードが利用できない場合もあります。
宿泊事業者側に、カード、キャッシュレス手数料の負担があるため、宿泊税のみ現金という宿泊施設も多いです。
事前にクレジットカードで宿泊代を決済している場合でも、現地で別途精算する必要があることを忘れずに覚えておきましょう。
■宿泊者が宿泊税を支払わない場合
まず、宿泊者が宿泊税を支払わないことに対しての罰則はありません。
しかし、実際に宿泊税を自治体へ納入するのはホテルなどの事業者側です。
つまり、宿泊者から宿泊税の支払いを拒否された場合でも、自治体へは立替えて支払わなくてはなりません。
下記の表のように、都道府県・宿泊料金ごとに税率が変わります。
都道府県 | 宿泊料金 | 1人1泊あたり |
---|---|---|
東京都 | 10,000円~14,999円 15,000円以上 | 100円 200円 |
大阪府 | 7,000円~14,999円 15,000円~19,999円 20,000円以上 | 100円 200円 300円 |
京都府京都市 | ~19,999円 20,000 円~49,999円 50,000円以上 | 200円 500円 1,000円 |
石川県金沢市 | ~19,999円 20,000円以上 | 200円 500円 |
北海道虻田郡倶知安町 | 宿泊料金の2% | |
福岡県福岡市 | ~19,999円 20,000 円以上 | 200円(県税50円含む) 500円(県税50円含む) |
福岡県北九州市 | 宿泊料金に関わらず | 200円(県税50円含む) |
福岡県(福岡市・北九州市以外) | 宿泊料金に関わらず | 200円 |
長崎県長崎市 | ~9,999円 10,000円~19,999円 20,000円以上 | 100円 200円 500円 |
■まとめ
宿泊税に関してみてきました。宿泊税が導入された背景を知ることで、消費税と同じく仕方がないと思われるかもしれません。
しかし、宿泊施設は日本人だけの利用には限らず、当然海外の観光客の方も多くいらっしゃいます。
宿泊税のことを知らない外国人の方には、宿泊予約サイトにて事前決済済みなのに、余計な請求がされたと思われるかもしれません。
果たして今後も、全国で宿泊税の拡がりがあるのか気になるところです。